人質交渉
人質を取った犯人との交渉のテクニックは、我々の現場でのさまざまな交渉ごと、たとえば退院を渋る家族の説得や、治療の結果についていろいろクレームをつけてくるような人との交渉にも応用できそうな気がする。ただ、そうしたノウハウを実際に公開している組織は少なく、なかなか参考になる資料がない。...
View Article退院交渉のノウハウ
人質をとって立てこもった犯人との交渉技術は自分たちの領域でも応用できそうなものが多い。 患者さんやご家族は犯罪者ではないし、要求が「病気が良くなること」であるうちは、医師と利害が相対することなどありえない。しかし、要求が「できる限りの入院期間の延長」である場合、話は違ってくる。...
View Article攻撃的な家族との対話
み○も○たの手先なのか、「医者はこちらが監視しないとすぐにミスをする」とばかりにやたらと攻撃的な口調になる患者の家族がたまにいる。医師として普通に接していれば通常は何事もなく退院してくれるが、対処のしかたを間違えるとえらいことになる。こうした場合の対処。 攻撃の意図を探る...
View Article机の配置
話しあいをする際の部屋や机の配置に関する注意。 小さな部屋にたくさんの人が集まると、気分が高まり仲間意識が生まれる。イギリスの議会などは、この効果を高めるために全議員の3分の2が座れるだけの座席しか用意していない。通常出席する人数はこの程度だし、重要な議事の際には立ったままの人が現れるが、それが緊急性の雰囲気を高めることにつながる。...
View Article相手をその気にさせる技術
退院のムンテラの後押しなどに心がけていること。 相手のインテリジェンスに関係なく、平常心の人はこうした心理学的なテクニックには耐性ができている。一方何らかの手段で心の平静を失った人は、驚くほどこうしたテクニックに引っかかりやすくなる。何らかの方法で家族の心を「崩す」テクニックと、ここで紹介する「決断させる」テクニックとを上手く併用できる人はいい詐欺師になれる。なかなか上手くはいかないけれど。...
View Article相手をその気にさせる看護
訪問看護を専門に行っているナースの中に、時々マインドコントロールの達人がいる。 退院するときに介護することを嫌がる家族、無理に説き伏せて自宅に退院してもらった家族の患者は、少しでも調子が悪くなるとすぐに病院に戻ってきてしまう。...
View Articleパニックの制御
何かの手段で相手を驚かせ、パニック状態に追い込むと、その人が普段持っているはずの判断力が低下する。 このことを上手く利用できれば、患者やその家族の意思をある程度コントロールできる。 パニックに陥った人は、その解決策としてより簡単なもの、簡単な答えに飛びつく。 その代表的なものが...
View Article納得と理解とは違う
脳梗塞など、後遺症の残った患者さんの家族に退院のムンテラをする際、家族の人たちは「ずっとこの病院において下さい」と頭を下げてくる。 家族の人たちもいろいろ考えている。もちろんずっといられるわけもないことは分かっているし、一方で自宅に連れ帰ると自分達の生活が台無しになってしまうことを非常に恐れている。...
View Article病名がつくる境界
誰かの陰口をいうときに、「あいつさぁ、なんか病名つくんじゃねえの…」という表現を使って、 周囲の黒い笑いを誘うのは効果的なやりかただ。 「病名が何なのか」は、こちらからは明示しない。 たぶんみんな、頭の中にある一番ひどい病名が浮かんでる。 病名をつけることで生まれる共犯者意識、病名をつけることで生まれる 「正常を外れた奴」というレッテルは、 対象に破滅的なダメージを与えてくれる。...
View Article病名を避ける退院交渉
最近は、病名を使って話をすることを極力避けるようにしている。 「肺炎が治ったから退院しましょう」ではなくて、 「抗生物質を中止しても発熱が再燃しないようなので、あとは外来で…」みたいな。 それが正しいのかどうかは分からないけれど、 そのほうが患者さんの状況受け入れが円滑に進む気がしている。 病名は医師の状況解釈 超高齢の患者さんが入院。夜寝ない。点滴を引き抜く。徘徊して転ぶ。...
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